五色会会報 平成十二年十一月十六日(木)       於…麦屋
             兼題…時雨・大根・七五三   席題…沢
            
 
出席者…高士・阿舟・静作・フミ・り絵・宙太・春行士・ひとみ・風香・
     我王・遙・新妻・青鈴・遊風
 不在投句…土用


【特選】                   [選者選考順]

 夜半よりまた時雨るるや一人酒         中村 フミ
 空青く鳥居は赤く七五三            原澤 遊風
 夕時雨沢の吊橋風に揺れ            秋山 静作
 同窓会果てて時雨の街を行く          中村 フミ
 世紀末うたかたと過ぐ時雨かな         石橋 宙太
 七五三祝われ方の十色なる           宮崎 遙
 腕白は腕白のまま七五三            石橋 宙太
 城の灯も遠く濡れをり初時雨          根津 り絵
 初時雨旅の終わりのとある駅          根津 り絵
 駄菓子屋のいつもの位置に千歳飴        青木 風香

 

【選】

バス停に先客二人初時雨      り絵   家々に懸大根の村ありし      阿舟
時雨来し愛々傘がいと嬉し     青鈴   時雨傘宵の京都か先斗町      静作
数月の恋に終止符夕時雨      風香   時雨れあと弱々と日の昇り来ぬ   遙
七五三飴持つ袖は長すぎて     遙    放吟の声遠のきて小夜時雨     宙太
大根を干したる道も散歩道     り絵   時雨るるも心ほぐれず針仕事    ひとみ
葉も土も取られ大根選びをり    ひとみ  島原を過ぎて長崎夕時雨      静作
冬紅葉沢を伝ひてなほ奥へ     遙    時雨るるや街の灯にじむ神田川   フミ
神妙にぽっくりを履く七五三    遙    大根を煮る火弱めて長電話     新妻
大根のある無人売店朝早し     我王   灰色の都会に時雨来たりけり    土用
初時雨ラジオがワルツ奏でをり   り絵   大根引き大根抱えて沢渡る     遊風
父母を引っ張ってゆく七五三    風香   庭椅子の少し濡れをり初時雨    り絵
厚焼きにおろし大根沢の鶴     風香   ふりそそぐひざしも清し時雨れあと 土用
玉砂利をけっ散らかして七五三   春行士  夕時雨鴉の声の遠くなり      フミ
猪口を置く風呂吹き大根待つ間   春行士  夕時雨人影も無き関所跡      我王
時雨いま山から沢へ移りたる    阿舟   時雨ても時雨ても待つ女かな    遊風
時雨るるやつい家にゐる日曜日   青鈴   車座の沢の昼めし落葉舞ふ     春行士
時雨る刻紅茶をいれて待つばかり  ひとみ


【選者吟】

 大根を干す束の間の島日和           星野 高士
 海近き一の鳥居や七五三
 時雨つつしぐれつつ聞くチャペルかな
 光沢のよき大根を引きにけり
 沢音の高くなりゆく時雨かな
 大根を干して半日終りけり
 沢に沿い一軒家あり干し大根